[写真館]Carl Zeiss 1.4/85をゲット&試写
ということで、Carl Zeiss(カールツァイス) Planar T* 85mm F1.4をゲット。ZKという型番になってますが、ペンタックスKマウントが付いて、ボディ側で絞りをコントロールしてくれるレンズです。ピントはマニュアルフォーカスですが。
Carl Zeissといえば、戦前から写真の世界をリードし続け来たドイツの名門メーカーです。本拠地はイエナで、第二次大戦後、イエナは東ドイツ領に。一部は西ドイツ側でもつくられてきたのですが、やはりイエナに対するメーカーとしての憧憬はありました。1980年代には日本のヤシカがドイツの名門ブランドCONTAXと提携して、フィルム一眼レフをつくり、Carl Zeissのレンズを装着していたのですが、経営難から90年代にはディスコン(=ディスコンティニュー=生産終了)になり、それ以来、Zeissのレンズを使える一眼レフは、市場に出回らなくなりました。
一方、ベルリンの壁の崩壊で、東西ドイツが統一された結果、Zeissも東西の一体化が進み、最近になって、体制も整ったのか、攻勢に出てきました。日本では、以前から協力関係にあった長野の老舗レンズメーカー、コシナと提携し、製品自体はコシナが製造し、ドイツのZeissに全数が送られて検査されたのち、再び日本市場に投入される形で、Made in JapanのZeissが活発に登場しています。
Carl Zeissは基本設計をした設計者由来の名前をレンズに冠するのが伝統で、Planarは標準?中望遠レンズシリーズとして、古くから高い評価を得てきました。基本設計をそのままに、最新の技術で熟成させたのが、このコシナ-ZeissのPlanar T* 1.4/85です。ちなみにT*(Tスター)は、独自のマルチコーティングが施されていることの証。1.4/85という表記は、前が開放絞り値、後が焦点距離で、Zeiss伝統の表記法です。85mmという焦点距離は、35mmフィルムカメラなら中望遠でポートレートにうってつけですが、APS-Cサイズのデジタル一眼レフでは、1.5倍換算になるので127mm相当になり、以前よく使われていた135mmという感じの焦点距離です。ポートレートというより、肉眼の「凝視」の感覚ですね。
F1.4という開放値は、非常に明るいレンズで、そのぶん、高速のシャッタースピードが得られるのですが、被写界深度が非常に狭くなるので、ピント合わせがシビアになります。また、「開放では柔らか、絞るとシャープ」「空気まで写す」と表現される独特の描写力が魅力。かつてのCONTAXの名機RTS(フィルム一眼レフ)を使っていたことがあり、Planar T* 1.4/50をもっていました。しかしピントがなかなか合わず(当時は、一眼レフはすべてマニュアルフォーカス)、雰囲気や発色はいいのに、シャープな絵がとれずに、挫折した経験があるので、今回はそのリベンジです。
ちなみに、このぐらいの焦点距離だと、SMC PENTAX FA77mm F1.8 Limited という名機をもっているので、バッティングしちゃう、というのが問題ですが(写真でも並んでいますが)、FA77は270グラムと軽量だし、オートフォーカス対応。Planar 1.4/85は550グラムもある重量級で、マニュアルフォーカスということで、じっくり腰を据えて撮るレンズになります。旅行にはFA77、1.4/85は六兼屋の庭を中心にした使い方になりそう。もっとも、撮り味にもよるので、まずはテスト撮影っと。
▲プリント生地を撮ってみました。上は開放、下は4段ほど絞ったF5です。被写界深度の違い、シャープネスの違いがわかりますが、下はちょいぶれちゃいましたね。写真をクリックすると、長辺1200ピクセルに縮小した画像が見れます。撮影したままの14M画像(by K20D)は、こちらとこちら。
▲クレマチス。F2.8まで1段絞るとピントが格段に合いやすくなります。おしべめしべがシャープで、花びらの色乗りが淡いのに、実にいい。背景の深いグリーンとぼけあじも、この世のものとは思えません。すばらしい、感動的です。撮影したままの14M画像は、こちら。
▲日々草。発色が本当にきれいだし、緑が深い。花が浮き上がって、存在感がしっかりしています。撮影したままの14M画像は、こちら。
▲ベルガモット。ピントの合い具合で、前後関係が自然にわかります。背景が融けすぎないのが、いい感じかも。撮影したままの14M画像は、こちら。
▲ミニトマト。茎や葉が込み入っていても、狙ったものだけが目に飛び込んで来る絵づくりができる。撮影したままの14M画像は、こちら。
▲イチゴ。つやつやした質感がホンモノ以上、な感じ。撮影したままの14M画像は、こちら。
ということで、Carl Zeiss Planar T* 1.4/85 ZKの実力は? あらためて14Mのデジカメ画像で、フィルムでは再現できそうにない細部まで見てみると、ブランドイメージに負けない、すばらしい実力の持ち主であることが感じられます。文句なしの圧倒的な実力ですね。
さて、これからじっくり、FA77との比較を楽しんでみます。日本代表の描写にこだわった中望遠大口径レンズ。ドイツ魂とのガチンコです。
